初版 2021年8月25日
改版 2022年1月1日
(3.DX推進体制について一部追記)

株式会社アルファパーチェス
代表取締役社長 多田 雅之

1. 産業用(B to B)MRO調達のDXへの貢献

当社は、西暦2006年に基本理念を「わたしたちは、MRO(メンテナンス リペア&オペレーション)を中心とする包括的な商品とサービスを提供することを通じ、サプライヤー、そしてパートナーとともに、お客様の価値の創造と間接コストの削減を実現し、日本の産業の変革と再活性化に貢献します。」と定めています。

基本理念には記載がありませんが、当社の事業は、最新のデジタル技術を駆使し、お客様とサプライヤー様/パートナー様をネットワークで接続し、取引の電子化を進めることによって、ロングテール(多品種少量)商品・サービスを効率的にお届けする業態です。ロングテール商材は取引額は小さくとも、品目数や取引先数は膨大になり、商材選定・発注・支払のためのコストがかさみます。ここにデジタル技術、自動化技術を投入し、同時に取引帳合を当社経由に集中化することにより、お客様はワンストップで何でも買えて、支払も一本で済み、サプライヤー様は、多数の小口注文を当社がまとめて発注するために口座設定、与信管理、入金照合等の手間をかけることなく、取引の大口化が図れます。

当社は、2000年の創業より一貫して、このB to B型デジタル取引プラットフォームを活用したサプライチェーン全体の革新を提唱し、日本の産業全般のDX(Digital Transformation)化への貢献を目指して活動してまいりました。しかしながら、当社の力不足から、創立後20年を経過した現時点でも、未だ日本のB to B MRO領域のDXは充分な進展をみせておらず、当社の目標である「日本産業の変革」は未了です。

今般、経済産業省主導により日本の産業全体のDXの推進が国家目標として掲げられたことから、これを機会に、当社の先進サービスの有用性を幅広いお客様にご理解頂き、当社のB to B デジタル取引プラットフォームの利用者や商材数を大きく増やすことによって、その効率性、利便性、および経済効果を高め、お客様、サプライヤー様、パートナー様とともに、先進デジタル技術を駆使したサプライチェーン全体の革新を進めて参る所存です。

2. MROサプライチェーン全体の革新に向けて

当社は、MRO(メンテナンス リペア&オペレーション)領域のロングテール商材及びサービスを「より効率的に、適切に、そして安価に」購買できる電子プラットフォームを構築し、そのプラットフォームに参画するお客様、サプライヤ様、パートナー様をネットワーク上で相互接続することを通じ、サプライチェーン全体の革新を進めることをミッションとしています。

その電子プラットフォームにつき、現在、①クラウド化、②マイクロサービス化、③サプライヤ・ポータル等の情報系サービスの強化、④サプライチェーン全体のマスターデータ管理の拡張、⑤在庫情報等のリアルタイム/ニア・リアルタイムの連携、等を進めつつあり、サプライチェーン全体のより緊密な連携化を進めております。これらのシステム構築が進めば、全てのお取引当事者が、より迅速で効率的な取引を、より多くの商材で行うことができ、日本のMRO領域の取引形態を大きく変える変革が実現可能と考えています。

より長期的には、⑥お取引先様の内部統制強化への寄与やESG対応、⑦取扱商品・サービスの拡大、⑧ビッグデータを活用した適切な取引先レコメンデーション等、プラットフォーム全体の更なる価値向上にも取り組む計画で、そのための基礎的な開発も進めて参ります。

これらの開発を通じて、当社のプラットフォームを活用するMRO取引の規模を拡大し、より多くのお取引様、商材が通過する日本最大のB to B MRO取引プラットフォームへと育成し、日本のMROサプライチェーン全体の革新を進めたいと願っています。

3. DX推進体制

  • ・DX推進を含めた事業改革を主要ミッションとして、事業改革室を2021年1月に設置致しました。
  • ・全社の技術や開発方針をグループCTOを中心として議論するテクノロジー戦略会議を 2021年2月に設置致しました。
  • ・2022年1月1日付で、事業改革室を事業改革グループへと名称変更致しました。引き続きDX推進を含めた事業改革を主要ミッションとして取り組んで参ります。

4. DX推進のための環境整備

(1) システム面の整備
以下の計画を策定し、実行中です。
  • 1) 既存の電子商取引プラットフォームの①クラウド化、②マイクロサービス化、③サプライヤ・ポータル等の情報系サービスの強化、④サプライチェーン全体のマスターデータ管理の拡張、⑤在庫情報等のリアルタイム/ニア・リアルタイムの連携、等を推進。
    開発期間は長期に及びますが、現在、2023年前半迄の具体的な開発計画が固まりつつあります。
  • 2) より長期的には、⑥お取引先各位の内部統制強化への寄与やESG対応、⑦取扱商品・サービスの拡大、⑧ビッグデータを活用した適切な取引先レコメンデーションなどを構想しており、2023年前半までに初期開発を進めます。
(2) 人材面の整備(DX人材の確保・育成)
  • 当社および日本のMROサプライチェーン全体のDX推進に寄与する社員の採用・育成や外部人材活用を進めます。そのために「DX人材拡充計画」を作成し、人的資源の質・量の充実化を進めます。

5. 戦略の達成に向けた指標

当社の目標は、当社の電子商取引プラットフォームの利用者拡大による価値向上ですから、その達成指標としては売上高の成長を目標としています。具体的には2021年(暦年)以降、毎年二桁%の売上成長を目指します。

システム投資については、2021~2024年(暦年)の累計投資を20億円以上投入することを計画しています。ただし、外部のクラウドサービスの活用が進捗すれば自己投資が減り、システム利用料が増えるトレードオフが発生するため、自己投資換算で20億円の投資です。今後、外部のクラウドサービスの活用も積極的に進め、投資と費用を含む総資金支出の効率的活用に務めます。

6. 最新の取り組み状況

2021年8月25日に「当社のDXへの取り組み」を公表して以来、当社B to Bデジタル取引プラットフォーム「APMRO」のお客様による利用と、同システム上での取扱商材数拡大は順調に進んでおります。

しかしながら、お客様の価値創造とコスト削減への貢献を目指したサプライチェーン全体の革新を進めるためには、一層のお客様とサプライヤー様の当社プラットフォームへの参画が必須であり、この点が今後のDX推進上の最大の課題と認識しております。

一方、足元では、世界全体のサプライチェーンの混乱により、一部商品の供給不足や納期が不安定化が生じておりますが、このような状況にタイムリーに対応し、お客様への適切な情報提供を可能とするべく、サプライヤーとの在庫情報等のシステム連携強化を進めております。現時点、システム連携先との全面的なリアルタイム情報連携はできておらず、その情報更新頻度と鮮度を高めていくことが現下の課題です。

また、基幹システムのクラウド化とマイクロサービス化についても、現状の電子商取引システムAPMROのクラウド・マイクロサービス版の一部機能が2023年前半までに利用可能となる見込みです。クラウド・マイクロサービス版への全面刷新には多大の費用がかかることから、費用対効果をみながら、必要性の高いサービスからリリースを進めて参ります。

DX推進人材の増員については、外部人材確保への取り組みも進めておりますが、足元、DX人材は獲得競争となっており、即戦力人材の確保は難しいことから、採用に加え教育・育成の強化により、DX人材層を厚くする方針を展開中です。

当社では上記のような課題認識の下で、早期のDX実現に向けた諸施策を進めており、当社のミッションである「日本の産業の変革と再活性化」への貢献に向け、今後とも邁進してまいります。